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【経皮毒の嘘・本当】化学物質が体内に蓄積するってあり得るの?

市販のシャンプーを使ってると、経皮毒で子宮に悪い毒が溜まって将来赤ちゃんに影響が出るよ

なんて話を聞いてびっくりしたことはありませんか?

本当にそんなことがあるのか調べてみました。

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経皮毒とは

経皮毒と言う言葉は、2005年に竹内久米司氏と稲津教久氏の共著により発行された

『経皮毒―皮膚から、あなたの体は冒される!』(日東書院)

で登場した造語です。

皮膚を通して体内に有害物質である毒が入ってきて、蓄積する影響で、肌荒れ・湿疹・アトピー・ガン・子宮内膜症・子宮筋腫・卵巣腫瘍などの病気になるとされています。

しかし、科学的な裏付けはなく、平成20年の2月20日に、この経皮毒と言う言葉を使って不安をあおり、自社製品の購入を促していたニューウェイズ社に対して、特定商取引法第34条第一項第一号の「商品についての不実告知」を適用し業務停止命令が経済産業省より出されています。

経皮毒は危険?シャンプーは体内に蓄積するという噂は本当?

経皮毒は根拠がなくマルチ商法の宣伝文句として使われていた経緯がありますが、本当にシャンプーの毒素が体内に蓄積する心配はないのかを考えてみましょう。

経皮毒の毒性の嘘・本当

皮毒の説明として先程の著書では、「プロピレングリコール」「ラウリル硫酸ナトリウム」が皮膚組織を突破して体内に侵入して肝臓や子宮に蓄積するとされていました。

プロピレングリコールは無味無臭で生物への毒性が低いことから食品にも使用されている添加物です。

直接食べた際の半数致死量は体重1Kgに対して18~24g、60Kgの成人なら1㎏~1.4Kgを食べると死ぬ可能性がありますが、1Kg以上の添加物を直接食べる事なんてありえない話ですよね。

ラウリル硫酸ナトリウムは界面活性剤の一種で、強い洗浄力で安く作れるので、安いシャンプーなどに使われていました。

刺激性が強いため、肌荒れを起こすこともあるので現在ではもう少しマイルドなラウレス硫酸ナトリウムがよくつかわれています。

ラウリル硫酸ナトリウムに発がん性が指摘されましたが、1970年代に厚生労働省によって追試され、発がん性はないと結論付けられています。

経皮毒が体内に侵入する嘘・本当

指摘されていた化学物質の危険性が低いことは分かりましたが、これ以外にもシャンプーには化学物質が含まれていますよね。

そもそもシャンプーに含まれる化学物質が皮膚組織を突破していくことは可能なのでしょうか?
皮膚は表皮層、真皮層、皮下組織の3層構造でできています。

皮膚にはバリア機能があり、真皮層は分子量が500ダルトン以上の物質を通さないので、まず体内に侵入することはできません。

分子量500ダルトンは普通の雨粒が東京ドームのサイズだとしたときの米粒サイズのものしか通らないイメージです。

美容成分のコラーゲンなんかが肌に浸透しないとされているのはこのバリア機能のせいですね。

シャンプーをすることで化学物質が入りやすくなるなら、コラーゲンなども浸透できそうなものですが、そんな話は一切出てきませんでした。

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経皮毒は子宮にたまる?嘘・本当

経皮毒となる化学物質は脂溶性があるから、界面活性剤でバリア機能が壊された表皮層から真皮層に入り込むことができて、血液中に入り男性なら前立腺、女性なら子宮に蓄積されるという主張があります。

前提の体内に侵入するところも疑わしいですが、万が一化学物質が体内に入ったとして、なぜ子宮にたまるのでしょうか?

良質な脂肪があるからとされていますが、子宮自体は筋肉ですし、子宮内膜は粘膜と血液でできており、毎月の月経で流れ出ていくので蓄積することはあり得ません。

そもそも良質な脂肪と言うならば、脳は小さい細胞の集まりで、細胞はリン脂質と言う脂肪でできているので、シャンプーをして一番近くにある脂肪に影響が出ず、なぜか子宮に蓄積されて子どもに影響があると脅されている状況は不可解ですね。

まとめ

経皮毒は嘘!でも肌に優しいシャンプーを選ぶことは大切。

経皮毒は調べれば調べるほど、根拠に「?」がつく不思議な説でした。

しかし、経皮毒が信ぴょう性を持つのは、強力な界面活性剤を使用した洗浄力の強いシャンプーを使うことで、実際に肌トラブルが起きるからです。

毒として体に蓄積することはありませんが、接触性皮膚炎(=かぶれ)やアレルギー性皮膚炎として、肌が敏感な人は化学物質に反応することは事実です。

現在使っているシャンプーでトラブルのない人は、経皮毒なんて気にせずに使い続けてOKです。かゆみなどのトラブルがある人も経皮毒は嘘ですが、肌に優しい合成界面活性剤不使用のシャンプーを選んではいかがでしょうか。

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