夏休みに、おばあちゃんの家に行くと家庭菜園の水やりにお米のとぎ汁をあげていました。
お米のとぎ汁を植物にあげるとぐんぐん育つと聞いたけど、本当なのかな?
気をつける点はないのかを調べてみました。
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Contents
米のとぎ汁に含まれる栄養素・成分は?
精米した白米には肌ヌカと呼ばれる粘着質のヌカがくっついています。
ご飯を炊くときにお米を研ぐのはこのヌカを取り除くためです。
米ヌカには沢山の栄養成分が含まれています。
・炭水化物(約50%)
・油分(約20%)
・タンパク質(約13%)
・ビタミンB群
・ミネラル類(リン、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛など)
この米ヌカが含まれているお米のとぎ汁も栄養豊富なので昔から美容や掃除・炊事などの様々な活用がされてきました。
米のとぎ汁を植物に与えて大丈夫?
そんな栄養たっぷりのお米のとぎ汁を植物に与えればきっとぐんぐん育つはず!
と思いきや、実はそうでもないんです。
①窒素飢餓になる
たんぱく質や脂質はそのまま植物の栄養にできるわけではなく、植物が吸収できる形に分解する必要があります。
分解する際に微生物が土の中の窒素を消費してしまい、植物が必要とする窒素までなくなってしまいます。
②土が固くなる
お米のとぎ汁に含まれるたんぱく質が、土の中の隙間に入り込み塞いでしまうことで、空気を含んだふかふかの土がカチカチの土になってしまいます。
固い土だと根を伸ばしていくことができず、植物にとっては窮屈な環境になってしまいます。
③悪臭やカビ、虫が寄ってくる
鉢植えのような小さな場所にお米のとぎ汁をやると、土の中で栄養分を分解する際の熱で悪臭が発生したり、温かく湿った環境を好むカビが生える事があります。
癒しのために育てている家の中の観葉植物にカビが生えたら嫌ですよね。
また栄養豊富なお米のとぎ汁を目指して、アリがやってきて庭中ありだらけ!という事態に陥った人もいるそうです。
良かれと思ってお米のとぎ汁を植物にあげると、最悪の場合枯れてしまう恐れもあります。
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お米のとぎ汁を植物に与えるときの注意点
その一方、お米のとぎ汁をあげたことで、朝顔が大きく育った話やゼラニウムの花が毎年綺麗に咲き誇った話などもありました。
成功した体験談からお米のとぎ汁を植物に与えるときの注意点が3つ考えられます
①屋外の風通しのいいところでお米のとぎ汁をあげる
お米のとぎ汁の栄養分が土の中で分解した際に発生する熱が発散されるように、屋外の風通しのいいところであげると、悪臭やカビが防げます。
②たくさん与えすぎない
毎日濃いお米のとぎ汁を与え続けると、窒素飢餓や土が固くなる原因になるので、まずは週に1度程度の頻度であげてみてください。
植物が元気そうなら、もう少しお米のとぎ汁をあげる頻度を増やしても大丈夫。
植物の種類によってもお米のとぎ汁を喜ぶ植物と得意ではない植物があるようなので、様子を見ながら回数を調節してください。
③なるべく上澄みだけをあげる
少し手間がかかりますが、お米のとぎ汁を静かに置いておくと、透明の上澄み部分と、下に沈殿したペースト部分とに分かれます。
ペーストの部分は、肌ヌカがたくさん含まれていて、土が固くなる原因になるのでその部分は使わず、上澄みの部分だけ使ってください。
お米のとぎ汁を植物にあげるのは要注意。しっかり観察しながら少しずつあげてみて
昔は庭の家庭菜園に無造作にあげていたお米のとぎ汁ですが、実は植物が枯れるリスクがあったんですね。
お米のとぎ汁をあげて植物が大きく育った例もあるので、絶対ダメ!ではないですが、せっかく育てている植物が枯れてしまうのは悲しいもの。
様子を見ながら少しずつ、お米のとぎ汁をあげてみてはいかがでしょうか?
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